ウラディミール・フェルツマンのリサイタル
東京文化会館で聴いてきました。
大ホールということで、この人の知名度では埋まるのかな~?と疑問に思っていましたが、都民芸術サークルの一環だったせいか、ほとんど埋まっていてビックリでした(客のマナーも非常に良かった・・・演奏が良いと自然に聴き入るので静かにはなるものではありますが)。
前半がベートーヴェン「悲愴」&31番、後半がムソルグスキー「展覧会の絵」でした。
もう本当に立派な演奏で大変感動しましたです。
特に妙なことはやっていません。自分勝手になりすぎない程度に歌うことを常に意識しつつ、自然に音楽に語らせるタイプ。
CDでも聴かれるやや硬質でクリアーな音色はライブでも一緒。同様に鋼系の音色のキーシンにも近い感じですが、もっと芯があります。ソフトペダルもロシア人らしく多用しませんが、適宜使ってはいます。
一連のバッハの録音が大好きですが、今日の演奏もやはり面白い内声の響かせ方が素晴らしい。31番ソナタのフーガ部分も実にクリアなポリフォニーを響かせつつ、ダイナミックに盛り上げていく手腕もさすがです。
また歌的な部分も非常に良いです。「悲愴」の2楽章や31番ソナタの嘆きの歌部分など。美しい旋律を充分に感じている演奏です。
「展覧会の絵」は先日アンスネスのライブを聴いて改めてよい曲だと思っていたところでしたが(その前はベロフのライブ演奏であまりのペダル混濁振りに一聴衆として勝手に怒り心頭(笑))、フェルツマンの演奏はもっと良かったです。
後半舞台に登場し椅子に座るやいなや、rinforzandoにあの有名なフレーズを弾き、有無を言わせません。どの曲の解釈も大変納得のいくもので、ヴィルテュオジティ的な楽しみも充分あります。分厚い和音も実にクリーンにしかし充分ダイナミックに響きます。細かいところでいろいろ面白い解釈はあったのですが、バーバ・ヤガーの小屋からはアタッカでキエフの大門に入りますが、その最初の和音はpで弾いていました。後半で盛り上げようというプランなのだろうと思いましたが、その通りでした。
アンコールでは、「先日亡くなった偉大な芸術家、ロストロポーヴィチに捧げます」と言って、シューマン=リスト「献呈」を弾きました。これもすごく良かったです。
ちなみにホールに入る前、リサイタル45分程前でしたが、奥様らしき人と堂々と文化会館の前にある木の下で人々を眺めていました。教養ある芸術家っぽいオーラがかなり出てました(笑)。
☆フェルツマンの展覧会の絵
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