ユジャ・ワンのプロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番
N響にふらりと自由席で聴いてきました。 元々はあまり行く気はなかったのに、結局ポゴレリッチよりも早く今年最初のコンサートになってしまいました。
指揮:デュトワ ピアノ:ユジャ・ワン
メゾ・ソプラノ:イリーナ・チスチャコヴァ
<オール・プロコフィエフ>
古典交響曲
ピアノ協奏曲第2番
カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」
目的はピアノ協奏曲だったわけですが。
デュトワの指揮で聴くN響はやはり活き活きとしています。ブロムシュテット辺りがブラームスやベートーヴェンを振る時のN響のほうが評価が高く安定しているのかもしれませんが、個人的にはさほどそれらの演奏は面白いと思えないです。
プロコのピアノ協奏曲第2番はこれで生演奏に触れるのは4回目になりました。 1回目は清水和音(90年代前半頃)。間を大分置いて、2回目がアレクサンドル・トラーゼ(ゲルギエフが指揮、2002年)。3回目がアナトール・ウゴルスキ(2003年)。
どれも名演でしたが、特にウゴルスキが素晴らしかったのは記憶に新しいです。
今回は、米国でゲイリー・グラーフマンに師事しているという若手の台湾系?女性ピアニストでした。本当に細部や対位法的な部分等よく弾けていて、混濁の無いクリーンな音色のピアノは、よく訓練されたアメリカ人のフィギュア・スケーターを思い起させます。減点しにくいタイプです。
が、やはりこの曲はミスっても何でもいいから、もっと荒々しくダイナミックに弾いてもらわないと演奏としてどうも面白くなりません。
1楽章の長大なカデンツァがあまりにも山場のないまま同じ調子で終わってしまったのには拍子抜けしてしまいました。4楽章のカデンツァも速過ぎてあらら・・・という感じ。4楽章のカデンツァにおける右手のアルペジオ部分が速過ぎたのですが、ここは転調がはっきり判るようにもうすこしテンポ落として弾いたほうがずっと美しく響くと思います。
ワンさんのピアノは、叙情的な部分でよさを感じさせますし、音色をよく聴いてコントロールしているのがわかりますが、どうしてもダイナミックさに欠け、物足りない感ばかりが残ってしまいました。
ガタイのいい清水やトラーゼはさすがにそういう問題は感じさせませんでした。ウゴルスキはユダヤ人らしく小柄でしたが、腕からの自由落下を使いまくることで音量に幅を持たせていました。腕からの自由落下は音を外しやすく、余分な雑音も生じやすいので最近のピアニストは嫌いがちですが、やはりこの曲には体躯が小柄な場合、必要かと思われます。
ふだんはキーシンのライブ録音を愛聴しています。
ワンさんの意向でプログラムが決まったのだとしたら、ショパン、モーツァルト、ベートーヴェンでなく、こういう曲こそオケと若いうちにやりたいという気持ちは非常によくわかります。
☆トラーゼ&ゲルギエフのお友達コンビによるプロコフィエフピアノ協奏曲全集
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